問 題 9 次 の (1)か ら (3)の 文 章 を 読 ん で 、後 の 問 い に 対 す る 答 え と し て 最 も よ い も の を 、A、B、C、Dか ら 一 つ 選 び な さ い 。
(1)
日本語の大きな特徴には、母音が多いということ以外に、唇をあまり使わずに、口 の奥で構音する(言葉をつくる)という点もある。つまり、口元を動かさずに、喉で言 葉をつくってる感じだ。だから、日本語をしゃべっていると、能面とかポーカーフエ イスといわれる無表情な顔になる。外国人にとっては、①これがすごく不気味に思 えるらしい。(中略)
試しに、鉛筆かボールペンか何かを、横向きにくわえてしゃべってみよう。
日本語だとちゃんと聞きとれるようにしゃべれるが、例えば英語だと、何言ってん だかわからなくなる。 日本語は口の奥で構音するが、英語などは口の先っぽで構音 す る か ら だ 。 口の先っぽに「口かせ」をはめられちゃうと、どうにもならないのだ。
中国語でも「口かせ」をはめると、何言ってるんだかわからなくなる。 というより も発音すること自体、ほとんど不可能になってしまう。同じアジアのお隣さんの国 でも、全然違うのだ。母音が多いだけでなく、発音のしかたからしても、日本語は喉 声向きにできている。逆に日本語だからこそ、喉声が完成されたのかもしれない。 日本語はつまり②喉語なのだ。
(中野純『日本人の鳴き声』N T T 出版による)
① 「これ」とあるが、何のことか。